どたばたファンタジーリレー小説7

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供として連れてきた若い兵の報告がベインと宰相ジークの耳に届いたその時
ぐらりと地が震え、うすい玻璃(ガラス)が割れるような音が辺りに響いた

「なっ!結界が!!!」

 

周囲に緊張と警戒が走る中、なんとも場にそぐわないのんびりした声が
空から降ってきた

「はぁい、こんにちわぁジーク君はぁいますかぁ?」

声の方向に目線をあげると
艶やかな黒髪に紅い眼の青年が、庭の中空にふわりと浮いていた

「鍵を受け取りにきましたよぉ?」
「ない」
「はいぃ?」
「ここに鍵は無い、さっさと帰れ」
「はいいいぃ?」

地と空でみつめあう老人と青年

「ない?」
「無い」
「鍵はここにない?」
「無い!しつこい!!!」

ふっと、青年が天を仰いだ次の瞬間

「ええええぇ~無いの?それ困るぅ~
 ボク怒られちゃうんじゃないでしょうかぁボク怒られるのちょぉイヤぁ」

ゴゴゴゴゴゴという轟音とともに絶叫と突風が辺りを襲った
まわりに与える影響とは裏腹にのんびり子供のような口調が
少し、いや、かなり不気味だ

「ってか隠してんじゃないですかぁ?じーじぃ!」

ブッ!!!!

そんな場合ではない、そう、庭が反崩壊状態になりかけているような
こんな時に、まさしくそんな場合ではないのだが

「「じーじぃ!!!!!!」」

年若い兵とベインは、思わず吹き出してしまった

「じーじぃ!かっぎっ!!!出してっ!!!」
「うるさいっ!じーじぃ言うなっ年だけでいえばお前の方が上じゃろうがっ」
「えーっだってほらジーク君すっごくじーじぃになったじゃん外見がっ!」
「お前が変わらなさすぎるんじゃーーーー」

突風も収まり絶叫も消え不気味な雲も去った・・・
しかし、言い争いをしている当人達以外の胸の内と脳内には
疑問符と疑問符と疑問符の嵐が渦を巻いていた

「なぁ爺さん、あれ爺さんの友達かなんかか?」

ベインが呟くように問うたのは、仕方のない事だった

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このページは、mesokichi2012年2月21日 21:06に書いた記事です。

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