どたばたファンタジーリレー小説5

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(姫様…?ってお姫様だよね?王様のこどもで綺麗なドレス着てお城で…)

そこまで考えたが、どうもルートの考える『お姫様』と姫様と呼ばれた
ディアナが上手く結び付かなかった

ルートの描くお城のお姫様は、つややかな髪を綺麗に結いあげ
身動きのとれなさそうな(豪奢な布地をたっぷり使ったとも言う)ドレスで
華奢な細い体を包んで羽のついた扇とか持ってる人だが…

目の前にいるディアナは、淡い金の髪はザックリと耳辺りで切られており
均整のとれた体つきに細身ながらもしっかりと鍛え抜かれた筋肉を持ち
羽の扇ではなく、少し大ぶりなナイフを腰に実用的な弓と弓矢を背負い
布地の少ないこれまた実用的な狩人の服装をした大きな女のひと、である

そんな風にルートが自分の中の『お姫様』像を確認している間にも
ルートの頭上のラーナごと抱えたディアナは走る
森から村へ向かった時も、恐ろしい速さにビックリしたが
今回はそれ以上だった怖いという感情すら出てこない速さである
怖いと思う機能をマヒさせた結果が『お姫様』像の確認だったようだ

三人(二人と一匹?)は、来た道をかえり森の奥へ奥へと進んだ
最初の泉を通り過ぎ、さらに奥へ奥へ…

風がやみ、足に土の感触がよみがえった
ディアナが足を止め、ルートを降ろしたのだ

そこは、森の最深部森と大地の女神が祭ってある小さな神殿前だった
村人も5年に一度の祭りの時にしか来ない
司祭や巫女も、森の神殿には年に一度来る程度だ

「ここまでくれば、多少時間は稼げるかな?」
「うむ、だが【グリーダナム】も必死で追ってくるだろう
 ディアナ【鍵】を受け取り【式】で移動しよう」

「ねこさ…じゃなくてラーナさん、おねえさん、あの…」

「ん?なんだルート、あぁ【鍵】は貸してもらうがちゃんと返すからな」
「あ、遠くに連れてきちゃってごめんね」

「これ、いるんだよね?」

と、【鍵】であるペンダントを指しながらルートは続けた

「あのね、これ貸してあげたいんんだけどね
 これね父様から貰った時に落とさないようにってお呪いがかかってて…
 あの、あのね…ボクからたくさん離れないんだけど…お呪い解ける??
 お呪い解けないと、これ貸してあげれないんだ」

「・・・。」
「・・・。」

沈黙×2

重い空気を破ったのは、ラーナだった
「ルート、そのお呪いっていうのは具体的にどういうものなんだ?」

「んーっとね、ペンダントがボクから遠くに行こうとすると戻ってくる!
 誰かが持っていたらその人ごと、来るよ?」

「・・・来るって言うのは、ペンダントの落し物を誰かが拾って
 届けてくれるってことなのかしら?」

「違うよ~その人ごと〈来る〉んだよ~」

「その人ごと来る?」

「そう!ペンダントと一緒に光りながら僕の前に来るの!
 人がいないときは、ペンダントだけボクに向かって来る!
 最初はビックリしたけど父様に聞いたら、ペンダントのお呪いで
 僕が落とさないようになってるんだろうって言ってたよ」

「・・・。」
「・・・。」

再び沈黙×2
そして、小さな呟きの応酬

「ディアナ…これは、もしや【鍵】と【認められし者】と言うことか」
「ラーナ…それ以外に何があるというの?」
「出来過ぎてないか?」
「でも罠だとしても、ルートは何も知らないみたいだし…」

ボソボソボソ…

「しかし【認められし者】は伝説ではないのか?」
「いや、歴史の中には実際居たらしけど先代の時代には現れなかったって…
 と、言うかこれ本当だとルート連れて行かなくちゃ行けないんじゃない?」
「…仕方あるまい【認められし者】だとすれば【鍵】とは離せない」

ぼそぼそぼそ…
ルートは、大人しく呟き続ける二人を待った

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このページは、mesokichi2011年9月 8日 00:37に書いた記事です。

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