どたばたファンタジーりれー小説2

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(猫が喋った!)

猫。知らない動物ではない。
もちろんルートの住む村にもいる。村長の館や村の穀物庫で飼われている。
備蓄された食料を荒らす小動物を狩る事で人と共生する存在。

だが彼らと目の前の存在は明らかに違う。少年が知っている猫は喋らない。
「猫さん、どうして喋れるの?村にいる猫さんは喋らないよ?」

得体のしれないモノに対する恐怖心より幼さ故の好奇心が勝った少年の問いかけを受け、小さな体を優雅に揺らしながらルートの前までゆっくりと歩いてくる猫。
「少年よ、質問をする時はまず名乗るのが礼儀というものだ」
まるで村の年寄衆と話しているかのような雰囲気だ。少年は一瞬返答に詰まってしまう。

「まあ良い。私の名はラーナ。見ての通りの猫だ。どうして喋れるのかの問いに答えなど持っていない。他の猫との違いは長く生き喋ることが出来る、それだけのことだ。で、少年の名は?」

「ボクはルート。森の外から母様の代わりに泉に水を汲みに来たんだ。もう一人で森に入っても平気なんだ。」

「ほう、それは立派な心がけだ。」

「ねこさん、今まで父様や母様と来たときはいなかったけど、ここで何をしてるの?」

「ルートよ、ねこさんではなくラーナだ。私はここに住んでいるわけではない。相棒と仕事の途中で、ここで待ち合わせをしているだけだ。」

「へぇ、そうなんだねこさん。お留守番えらいね。」

「......ラーナだ。あとお前さんより私の方が年上だ。」

どうやらこの少年は物怖じしない性格らしい。
「ところでルートよ、お前さんがこの泉に来るまでに人に出会わなかったか?相棒がそちらの村に向かっている筈だが。」

「ううん、誰とも合わなかったよ?どんな人?」

「そうだな、一目見れば分かるような大きな......」
「ラーナ!大変だ!ラーナ! 何処だ?」
「......どうやら戻ってきたようだ。」

ラーナを呼ぶ声はまっすぐこちらに向かっているようだ。道ではなく、森の中をまっすぐ。
やがて茂みをかき分け、走りながら泉に駆け込んできたのは、村の男達より頭一つ分は背が高そうな.....女性。

「大変だ!カルムの村に......!」

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ラーナラーナ! もふもふもふもふもふもふもふもふ。
ルートかわいいよルート。
「ねこさんではなくラーナだ」最高っす!

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このページは、mochi2011年8月21日 23:22に書いた記事です。

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